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対戦相手皆無!ボードゲームレビュー

遊んだアナログゲーム・ドイツゲームについて主に書きます。

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ツォルキン:マヤ神聖暦

古代マヤ文明において、一年は260日であった。

現実の気候や太陽周期に則さないこの暦は、儀礼的・宗教的意味を持っており、360日の暦とは別に、長くに渡って使われ続けた。

プレイヤーは各部族を担当し、暦が一周するまでの間、自分たちの部族の繁栄を目指すのだ。




---ツォルキン:マヤ神聖暦---

ルールを覚えるのに必要な時間:30~60分
1ゲームの時間:90~150分
評価:☆☆☆☆☆ (☆5で満点)

 

とにかく巨大な歯車に目が行く。素晴らしいコンポーネントを持つゲーム。しかもこの歯車が単なる虚仮威しではなく、システムに、そして物理的にきっちりと噛み合って、プレイヤーに大きな満足感をもたらす。

システムはあまり運の要素がないワーカープレイスメント。2~3手先を読みながら戦うため、結構好みはわかれると思うが、ゲーマー勢からは高い評価を得ている。そりゃあねぇ。初心者に対して俺TUEEEE!できるもんねぇ。

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まずゲームボードを慎重に組み立て、各自6人のワーカーを受け取る。最初は3人だけをワーカーとして使えるので、後の三人は別のところに避けておく。



あと、個人ボードというかサマリーボードがある。裏表で色が違うが、これは後述。



ゲーム開始前に、各自4枚のスタートタイルを受け取る。これにはスタート時にもらえる食料・資源・技術が書いてあり、4枚中2枚を選んでゲームスタート。残りは破棄する。

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手番にできることはシンプルで、「ワーカーを歯車に差す」か、「歯車からワーカーを抜く」のどちらかだけ。差した手番には抜けないし、逆もしかり。

ワーカーは抜いた時だけ、仕事(アクション)を行う。



全員が手番を終えたら、すべての歯車がひとつ進む。歯車は26歯で、一周したらゲーム終了。重量級ゲームのように語られるが、ワーカーがアクションをするためには抜き差しで最低2ターン必要なので、手番数が思ったよりも少ない。カツカツのマゾゲーになりがち。

最終目標は「勝利点を多く稼ぐ」ことなのだが、点数を取得するには大きく分けて3種類の方法がある。



・神殿レベルを上げる
・建物やモニュメントを建てる
・チチェン・イッツァに水晶髑髏を奉納する

これらを行うために、ワーカーを使役する。ワーカーを置けるのは周辺の小さな歯車で、歯車が動いてワーカーが先に進むほど、いい仕事をすると思ってOK。

ワーカーを置く際にすこし細かいルールがあり、一人目は無料で置けるのだが、2人めは食料が1、3人めは食料が2・・・必要。また歯車は必ず最初の穴から埋めていかなくてはいけないが、他のワーカーで埋まっていた場合いきなり上段における。ただしボードに書いてある食料が追加で必要。

6人目のワーカーを最上段に置いたりすると、十数個の食料(コーン)を消費するので結構キツイ まあ次のターンでかなりいい仕事をするのだが・・・。

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歯車は5種類あり、それぞれできるアクションが違う。



・パレンケ:食料供給に関する歯車。先に進めば進むほど多くの食料を獲得できる。


・ヤシュチラン:資源供給に関する歯車。木材・石材・金を獲得できる他、クリスタルスカルを獲得できるマスもある。


・ティカル:技術開発・建設に関する歯車。また神殿レベルをあげられるマスもある。


・ウズマル:何やら色々できる歯車。ワーカーを増やしたり、コーンと資材を相互に交換できたりする。


・チチェン・イッツァ:クリスタルスカルを捧げて勝利点を獲得できる。ここだけ歯車がやや大きい。

ワーカーを派遣して効率よくアクションをこなしていくのだが、建設型・神殿型など、何かに特化したほうが強い。

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また、ティカルの歯車や建造物であげられる技術レベルは、ゲーム展開を有利に運ぶことができる。

・コーンの収穫数が増えたり
・資材を追加で獲得できたり
・建造物建設にボーナスが加わったり
・チチェン・イッツァで奉納が有利になったり

いろんな効果があるが、これも何かに特化して「レベル4」の技術を積極的に利用すると良い。資源をひとつ払うだけで何度でも利用でき、神殿レベルが上ったり任意の資源を獲得できたりと、かなり便利なのだ。

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神殿には資源と得点が書いてあるが・・・



メインの歯車が1/4周する毎に、神殿に関して決算が行われる。1/4と3/4回った時には、自分の神殿レベルに応じて資源がもらえる。神が3種類いるのだが、それぞれ神殿レベルを上げておくと、自分の駒がある位置以下に記載されている資源がもらえる。



また、半周回った時、1周回った時には勝利点の決算が入る。それぞれの神について、一番信仰度が高いプレイヤーにボーナスが入り、

自分のいる位置の勝利点も入る。この神殿の勝利点をメインの得点源にすると、安定したプレイになる。

それとこれは非常に重要だが、この決算と同時に自分のワーカーに食料を供給しなくてはいけない。一人につき2コーンだ。 足りなければ一人につき-3点。

また信仰度にはマイナスがあり得るが、これはゲームの途中でコーンがなくなってワーカーが配置できなくなった時、救済策としてどれかの神の信仰度を下げ、3コーンまでもらうことができるのだ。

ただ、最大3コーンまでしかもらえないので、どうせならコーン0の時に物乞いしたい。

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最後にスタートプレイヤーを獲得できるマス。ここに配置することで獲得でき、ワーカーはそのラウンドの最後にすぐ戻ってくる。



また、誰もここに置かなかったラウンドには、メインの歯車に食料を1つずつ置いていくのだが、これも一緒に獲得できる。

さらに、この場所においた人は次のラウンドの開始時、メインの歯車を一気に2つ回すことを選択できる。やらなくてもいい。ただしゲーム中に一回だけしかできない特別なアクションなので、効果を使ったら個人ボードを裏返しておく。

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建物の中には食料負担を軽減させるもの、資源をもらえるものなどいろいろあるが・・・



時代Ⅰの建物と時代Ⅱの建物があり、ギアが半周したら時代が切り替わる。



また、特にコストの高い建物は「モニュメント」と呼ばれ、ゲーム終了時に大量の得点をもたらす。これらはプレイヤー人数に応じてゲームスタート時から建設することができるが、たいてい後半にならないと建てられない。また、モニュメントはストックから補充されることはない。

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こうしてギアが一周したらゲーム終了。最終得点計算をして勝者を決める。うまい人は120点ぐらい取ったりするが、とても信じられない・・・

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初期タイルや建物のランダム要素があるものの、先を読みながらゲームを進めていく、非常にゲーマーよりのゲームです。嫌いな人は嫌いかも。

その分ヘビーゲーマーからは評価が高く、これだけを対象にしたゲーム会が開かれるほどになっています。

プエルトリコ同様、勝ち筋がいくつかあるので、なるべく人と被らないように戦略を練る必要があるでしょう。

今回の記事の文章量通り、非常に敷居は高いのですが慣れれば90分で終わるので、地政学マルチのように延々とやるというゲームではありません。日本語版も発売されるので、ぜひ一度体験を。ルールを知っている人に教わったほうが早いです。

ツォルキン:マヤ神聖歴 fs04gm

ツォルキン:マヤ神聖歴 fs04gm
価格:7,560円(税込、送料別)


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