対戦相手皆無!ボードゲームレビュー
遊んだアナログゲーム・ドイツゲームについて主に書きます。
電力会社
- 2014/04/19 (Sat)
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発明王エジソンが創りだした白熱電球。
人々はその明るさにおどろき、「世界から夜が消えた」と歓喜した。情報を目に頼る人間は、本能的に明るさを求めるのだろう。
次に求められたのは、安定した電力供給。
各国は、安定した明るさ、生活のため、各地への送電網敷設を急ぐ・・・。
電力会社
ルールを覚えるのに必要な時間:30分
1ゲームの時間:120~150分
評価:☆☆☆☆☆ (☆5で満点)
そのプレイ時間の長さから、「名前は知っているけど手を出しづらい」と思われている電力会社。しかしルールは意外なほど単純で、覚えてしまえばなんということは無い。これが名作たる所以でしょう。細かいルール処理はレッド・ノベンバーとか洛陽の門にてのほうがよほど多いです。
ただ人数によって細かくルールが変わるのがちょっと煩雑。まあ大人数のほうが面白いゲームなのでなるべく人を集めましょう。
最初に50金(50エレクトロ)を持ってゲームスタート!
ゲームは、幾つもの小さなフェイズの組み合わせで進行していきます。
1:オークションフェイズ
場に並んだ発電所の中から、手番順に買いたい発電所を選び、競りを行っていきます。発電所の番号がそのまま最低落札価格で、全プレイヤーが参加して好きに値付けをすることができます。落札して発電所を手に入れたり、パスを宣言した場合はこのオークションフェイズに再び参加することはできません。
競りにかけられるのは上段の4つの発電所で、下の4つは将来的に競りにかけられる発電所を表します。一つ落札されたら一枚補充されるのですが、発電所は必ず番号順に並べるため、下段の発電所が順当に繰り上がってくるとは限りません。
※第一ラウンドでは必ず発電所を買わなくてはいけません。また、最初の手番はジャンケンなどで適当に決めるのですが、全員が発電所を買ったら所持している発電所の番号順に順番を再決定します。大きい数字の発電所を持っている人が先手番です。
2:資源購入フェイズ
「手番の逆順」に資源を買っていきます。このゲームでは順番は重要なので間違わないように。
資源は最初、このような価格からスタートするのですが、買われて資源が減っていくと値段が上がって行きます。
資源は4種(石炭・石油・燃えるゴミ・ウラン)ありますが、買えるのは自分の発電所に必要な種類のみ。一回の発電に必要な量の2倍まで蓄えておくことができます。
3:建設フェイズ
メインボード上に電力供給ネットワークを構築していきます。このフェイズも順番は「手番の逆順」です。
はじめは10エレクトロでどこにでも建てることができます。1フェイズでいくら立ててもいいのですが、2軒めからは最初の家から伸ばすように置かなくては行けません。そして送電線の費用も払う必要があります。
例えばこの場合、一軒目を10エレクトロで立て、2軒目を建てようとすると
送電線の費用 4エレクトロ+2軒めの建設費用10エレクトロ = 14エレクトロ が必要になります。
なお、最初のうちは1都市に送電できるのは一人だけです。誰かが7件目の家を建てた時(プレイ人数によって件数は違う)に「第二ステージ」に突入し、1都市に2人の送電網が建設できるようになります。
3人が送電できるようになる条件は後述。
4:発電フェイズ
購入した資源を使って発電を行い、自分の送電網に電力を供給する。供給量に見合った収入がもらえるが、発電量が多くなるほど収入の伸び率が少なくなり、独走出来ないようになっているのです。
もちろん、発電可能量だけ多くても供給都市の数が少なければ発電量は頭打ちになるし、逆もしかり。そして資源が足りなければそもそも発電所は動きません。全てをバランスよく整えよう。
5:手番決定フェイズ
送電網の数が多い順に早い手番となり、次のラウンドへ。送電網の数が同じ場合は発電所の番号が大きいほど手番が早くなります。
このゲームでは、手番順は超重要。基本的に後ろの手番ほど有利なので(資源を安く買える・発電所は良い物を買える等)あまり先走りたくないが、そうはいっても送電網はなるべく多く持ちたいところ。このへんの悩ましさが、電力会社が名作とされている理由でしょう。
マニュアルに記載された量の資源を補給したら、また最初のオークションフェイズが始まる。この補給量は人数やフェーズによって変わります。
さて、オークションで発電所が買われていき、どんどん山札が減っていくと「第3ステージ突入カード」が出てきます。
コレがでたら一都市に3人まで送電網を建設可能。そして発電所は上下段全てが買えるようになります。
こうなるとゲームは目を見張るスピードで動き始め、一気に終局へと向かいます。第三ステージに入ったら長くても3ラウンド以内に終わるでしょう。
ちなみに第二フェイズを飛ばして第三ステージに入ることも。
誰かが規定の数の都市に送電網を建設するとそのラウンドでゲーム終了。最後に「そのラウンドで一番発電量が多かった人」が勝ちます。
つまり最初に送電網を建設しきった人が勝つわけではないのです。なるべくバランスよく。
---------------------------------------------------------------------
最初の立ち上がりこそ、ちまちまと1つ2つ・・・地味に送電網を建設していく感じですが
ステージが変わるごとに、より展開がハイギアに入り、どんどんゲームが加速していきます。
この展開のダイナミックさ・発電所の競りの面白さ。そしてリソースマネージメントとエリアマジョリティ要素がからみ合って見事に昇華した、素晴らしいゲームです。
奇才 フリードマン・フリーゼがその才能を爆発させた、100年後も残るゲームかも知れません。フリーゼはこのゲームの成功を受けて、「これでキワモノゲーム制作に戻れる」と言ったとか言わないとか。
確かにプレイ時間は長めですが、ルールは意外とシンプルで、すでにプレイ済みの人が混じっていればすんなり覚えられるでしょう。ブログ記事にすると長い文章となってしまいましたが。
私ははじめ、すごろくやさんの「ボードゲームカタログ200」で紹介されているのをみて、「ふーん、こんな長いゲームがあるのか。まあ俺には関係ないな」と思っていましたが、まさかこんなに面白く、何度もやることになろうとは。食わず嫌いは良くないですね。
人々はその明るさにおどろき、「世界から夜が消えた」と歓喜した。情報を目に頼る人間は、本能的に明るさを求めるのだろう。
次に求められたのは、安定した電力供給。
各国は、安定した明るさ、生活のため、各地への送電網敷設を急ぐ・・・。
電力会社
ルールを覚えるのに必要な時間:30分
1ゲームの時間:120~150分
評価:☆☆☆☆☆ (☆5で満点)
そのプレイ時間の長さから、「名前は知っているけど手を出しづらい」と思われている電力会社。しかしルールは意外なほど単純で、覚えてしまえばなんということは無い。これが名作たる所以でしょう。細かいルール処理はレッド・ノベンバーとか洛陽の門にてのほうがよほど多いです。
ただ人数によって細かくルールが変わるのがちょっと煩雑。まあ大人数のほうが面白いゲームなのでなるべく人を集めましょう。
最初に50金(50エレクトロ)を持ってゲームスタート!
ゲームは、幾つもの小さなフェイズの組み合わせで進行していきます。
1:オークションフェイズ
場に並んだ発電所の中から、手番順に買いたい発電所を選び、競りを行っていきます。発電所の番号がそのまま最低落札価格で、全プレイヤーが参加して好きに値付けをすることができます。落札して発電所を手に入れたり、パスを宣言した場合はこのオークションフェイズに再び参加することはできません。
競りにかけられるのは上段の4つの発電所で、下の4つは将来的に競りにかけられる発電所を表します。一つ落札されたら一枚補充されるのですが、発電所は必ず番号順に並べるため、下段の発電所が順当に繰り上がってくるとは限りません。
※第一ラウンドでは必ず発電所を買わなくてはいけません。また、最初の手番はジャンケンなどで適当に決めるのですが、全員が発電所を買ったら所持している発電所の番号順に順番を再決定します。大きい数字の発電所を持っている人が先手番です。
2:資源購入フェイズ
「手番の逆順」に資源を買っていきます。このゲームでは順番は重要なので間違わないように。
資源は最初、このような価格からスタートするのですが、買われて資源が減っていくと値段が上がって行きます。
資源は4種(石炭・石油・燃えるゴミ・ウラン)ありますが、買えるのは自分の発電所に必要な種類のみ。一回の発電に必要な量の2倍まで蓄えておくことができます。
3:建設フェイズ
メインボード上に電力供給ネットワークを構築していきます。このフェイズも順番は「手番の逆順」です。
はじめは10エレクトロでどこにでも建てることができます。1フェイズでいくら立ててもいいのですが、2軒めからは最初の家から伸ばすように置かなくては行けません。そして送電線の費用も払う必要があります。
例えばこの場合、一軒目を10エレクトロで立て、2軒目を建てようとすると
送電線の費用 4エレクトロ+2軒めの建設費用10エレクトロ = 14エレクトロ が必要になります。
なお、最初のうちは1都市に送電できるのは一人だけです。誰かが7件目の家を建てた時(プレイ人数によって件数は違う)に「第二ステージ」に突入し、1都市に2人の送電網が建設できるようになります。
3人が送電できるようになる条件は後述。
4:発電フェイズ
購入した資源を使って発電を行い、自分の送電網に電力を供給する。供給量に見合った収入がもらえるが、発電量が多くなるほど収入の伸び率が少なくなり、独走出来ないようになっているのです。
もちろん、発電可能量だけ多くても供給都市の数が少なければ発電量は頭打ちになるし、逆もしかり。そして資源が足りなければそもそも発電所は動きません。全てをバランスよく整えよう。
5:手番決定フェイズ
送電網の数が多い順に早い手番となり、次のラウンドへ。送電網の数が同じ場合は発電所の番号が大きいほど手番が早くなります。
このゲームでは、手番順は超重要。基本的に後ろの手番ほど有利なので(資源を安く買える・発電所は良い物を買える等)あまり先走りたくないが、そうはいっても送電網はなるべく多く持ちたいところ。このへんの悩ましさが、電力会社が名作とされている理由でしょう。
マニュアルに記載された量の資源を補給したら、また最初のオークションフェイズが始まる。この補給量は人数やフェーズによって変わります。
さて、オークションで発電所が買われていき、どんどん山札が減っていくと「第3ステージ突入カード」が出てきます。
コレがでたら一都市に3人まで送電網を建設可能。そして発電所は上下段全てが買えるようになります。
こうなるとゲームは目を見張るスピードで動き始め、一気に終局へと向かいます。第三ステージに入ったら長くても3ラウンド以内に終わるでしょう。
ちなみに第二フェイズを飛ばして第三ステージに入ることも。
誰かが規定の数の都市に送電網を建設するとそのラウンドでゲーム終了。最後に「そのラウンドで一番発電量が多かった人」が勝ちます。
つまり最初に送電網を建設しきった人が勝つわけではないのです。なるべくバランスよく。
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最初の立ち上がりこそ、ちまちまと1つ2つ・・・地味に送電網を建設していく感じですが
ステージが変わるごとに、より展開がハイギアに入り、どんどんゲームが加速していきます。
この展開のダイナミックさ・発電所の競りの面白さ。そしてリソースマネージメントとエリアマジョリティ要素がからみ合って見事に昇華した、素晴らしいゲームです。
奇才 フリードマン・フリーゼがその才能を爆発させた、100年後も残るゲームかも知れません。フリーゼはこのゲームの成功を受けて、「これでキワモノゲーム制作に戻れる」と言ったとか言わないとか。
確かにプレイ時間は長めですが、ルールは意外とシンプルで、すでにプレイ済みの人が混じっていればすんなり覚えられるでしょう。ブログ記事にすると長い文章となってしまいましたが。
私ははじめ、すごろくやさんの「ボードゲームカタログ200」で紹介されているのをみて、「ふーん、こんな長いゲームがあるのか。まあ俺には関係ないな」と思っていましたが、まさかこんなに面白く、何度もやることになろうとは。食わず嫌いは良くないですね。
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