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対戦相手皆無!ボードゲームレビュー

遊んだアナログゲーム・ドイツゲームについて主に書きます。

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カカオ

大航海時代に新大陸からもたらされたカカオ豆。ココアやチョコレートの原料となるのは皆が知っていることですが、南米の原住民の間では貨幣としても使われていたそうです。

例えば、奴隷一人はカカオ豆100個というお値段。カカオはかなり貴重なものだったみたいですね。




---カカオ---

ルールを覚えるのに必要な時間:10分
1ゲームの時間:45分
評価:☆☆☆☆☆ (☆5で満点)

カカオやチョコレートをテーマにしたゲームと言えば!



そう、これしか思い浮かばなかったんですが、今年その名も「カカオ」というゲームがアバクスから颯爽と登場しました。

作者はフィル・ハーディング。代表作は「考古学カードゲーム」や「スシゴー!」って、結構地味だなぁ・・・・。まあどっちも遊んだことあるけど。結構手堅くゲームを作る人なのかもしれない。



内容はシンプルなタイル配置ゲームで、万人が楽しく遊べる内容。既存のシステムの組み合わせで45分のゲームにまとめており、安心して遊べます。まあ、裏を返せば「どこかで見たようなゲーム」なんですが・・・。



原色を多用した色鮮やかなアートワークと可愛らしいカカオ駒。そして、内箱にコンポーネントがキチンと収まる仕切りがついています。東海道とかもそうだったけど、こういう仕切りがあるゲームは素晴らしい。すべてのゲームはこうあるべきだ。



各プレイヤーは、丸い個人ボードと自分の色のタイル11枚(プレイ人数によって可変。また、プレイヤータイルにはミープルが印刷されている。)を受け取ってゲームスタート。



個人ボードには水路に沿うように得点が書かれているのですが、最初は-10からスタートなので、ここにミープルを置いておきます。



タイル配置ゲームなので、メインボードは無し。最初はスタートタイルとして「カカオ畑」と「市場」のタイルを斜めに配置しておきます。

※以後、ミープルが印刷されていないタイルを「ジャングルタイル」と呼びます。



残りのジャングルタイルはシャッフルして山札にし、2枚だけを公開しておきます。

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各プレイヤーは手札として3枚のタイルを持ち、どれか一枚を手番に配置します。この時、ジャングルタイルに1辺以上が隣接するように置きます。



プレイヤータイルの各辺には0-3体のミープルが書かれているので、書かれているだけ隣接したジャングルタイルの恩恵を受けられます。



例えばカカオ畑に2体のミープル辺を隣接させれば2個のカカオがもらえるし、市場に隣接させればミープルの数だけカカオが売れるのです。(売値はタイルに印刷された値段)



またプレイヤータイルを置いた結果、このようにプレイヤータイルに2辺以上が接する空きスペースができたら、そこに手番プレイヤーがジャングルタイルを置きます。この時置くタイルはめくった2枚のどちらかを選びます。

もしそのようなスペースが2つできたら、残ったもう一枚のジャングルタイルを置きます。手番終了まで公開するジャングルタイルの補充はしません。



つまり、プレイヤータイルとジャングルタイルは交互に置かれ、市松模様になります。

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タイル効果



・カカオ畑:ミープルの数だけカカオを得る。ただし倉庫に置けるカカオは5つまで。



・市場:ミープルの数だけカカオを売れる。



・金鉱:ミープルの数だけ、書かれている金額を得る。1~2金なので効果は低め。



・泉:ミープルの数だけ、自分の個人ボード上の水路得点を進めます。これは最後、勝利点になります。ある程度進めないとマイナス点のままなのです。



・太陽の礼拝所:ミープルの数だけ太陽石を得て、個人ボードに置いておきます。(最大3個)これはジャングルタイルの山札が尽きた後から使えるようになり、



1つの太陽石を消費することで、すでに置かれている自分のタイルの上に手持ちのプレイヤータイルを「上書き」できます。

つまり発動済みのジャングルタイルから再度泉の効果を得たり、カカオを得たり出来るのです。



・神殿:神殿は最後の得点計算時に勝利点を得られます。数字が2つ書かれているのですが、この神殿に隣接させた自分のミープルが最も多いプレイヤーが大きい方の得点、2番めのプレイヤーは小さい方の得点を得ます。一位が同率だった場合は端数切り捨てで半分の得点を得て、2位のプレイヤーに得点はありません。2位が同率だった場合も端数切り捨てで半分の得点を得ます。

※太陽石はゲーム終盤、神殿のマジョリティ確保に使われることが多いです。

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ジャングルタイルの山が切れてもゲームは続くのですが、全員がプレイヤータイルを置ききったらゲーム終了。最終得点は



・お金の数 + 水路の得点 + 神殿から得られる得点 + 太陽石(最後まで持ってたら1つ1点) です。

カカオは最後得点にならないので、ゲーム中にうまく売り抜けましょう!

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タイル配置で、自分の置いたタイルに隣接した効果が得られるというわかりやすいゲーム展開。タイル効果もたった6種類なので、すぐに覚えられます。

同じタイル配置ゲーとしては、「カルカソンヌ」が思い浮かびますが、あの「草原」のような悩ましさは残念ながらありません。ただし神殿のマジョリティ争いは熱いです。太陽石で最後のどんでん返しを狙うか、それとも余ったカカオを高価格で売りさばくか・・・。

一つ気になるのは「水路」の得点比重がかなり大きいところ。最大は16点なのですが、一位を取るにはマックスの16点獲得は必須となる感じ。必然的に勝ち筋が狭まってしまいます。

だんだん広がるジャングルの美しさ、ライトなゲーム展開。いかにも年間ゲーム大賞に選ばれそうなゲームなのですが、今年の推薦リスト止まりでした。システムの新しさが無いのがひとつの原因かな??
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