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対戦相手皆無!ボードゲームレビュー

遊んだアナログゲーム・ドイツゲームについて主に書きます。

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ケイラス

13世紀末のフランス、フィリップ4世の名を受けたプレイヤーは大工の棟梁となり、6人の配下をうまく使いながら城と城下町を発展させていきます。なかなかハードですね。



---ケイラス---

ルールを覚えるのに必要な時間:30分
1ゲームの時間:150-180分
評価:☆☆☆ (☆5で満点)



2005年発売の本作は、今年で10週年。でも10週年記念盤が出る予定はなさそう。そんなケイラスです。2012年にイスタリから新パッケージで再販されているので、今手に入るのはそちらの方。


ゲームシステムはまさにワーカープレイスメントで、ワカプレ黎明期に現在とほぼ同じシステムを確立していたことに驚かされる。取れるアクションが増えていくところはアグリコラに受け継がれ、「恩賞」トラックはツォルキンに受け継がれた。今でもこのシステムを利用したゲームが生まれ続けている。




プレイヤーは6人のワーカーと食料2・木材1・お金(5-7金 先手番ほど少ない)を持ち、ゲームスタート。やることはアクションスペースにワーカーを順番に配置するだけ。ちなみに他のゲームによくある「Food day」はこのゲームには存在しない。食料は単なる資源の一つだ。ただし、ワーカーの配置にはお金がかかる仕組み。基本的には1金払って1人を配置できる。

取れるアクションがいきなり多いので複雑なゲームだ。炭鉱讃歌やストーン・エイジのように、後発のシンプルワカプレに慣れているとガツンとやられる。ツォルキンやアグリコラに慣れていれば大丈夫だけど。

まずラウンド開始時に2金の収入がある。これは後述の特別な建物を所有していると増える。



アクションスペースは橋の前後で大きく性格が別れ、橋の後(ボードの下の方)は資源を得たり市場で交換したり、建物を建てるといったシンプルな効果が並ぶ。



建物を建てるとき、背景が緑の建物(邸宅)は既存の建物から建て替え。

背景が青の建物は緑の建物から建て替えなくてはいけない点に注意。





建てたタイルは道の空きスペースに配置し、所有権を表す家駒を載せておく。他の人が建てた建造物アクションを使用すると、その人に勝利点1点が入る。



※先の方は全部空きスペースかとおもいきや、こっそり「金」資源を獲得するアクションスペースがあるので注意。ここにタイルを載せないように!



※たまにタイルに「ユリのマーク」が描かれている場合がある。このタイルを建設したら、後述の「恩賞」トラックを進めることが出来る。

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逆に橋の前(ボードの上のほう)には特殊なアクションがたくさん 上から順番に見ていくと


・城門:ここに駒を配置したら、アクション実行時に他の空きアクションスペースに移せる。ほとんど使わないアクションだが、極稀に、お茶濁し用途で使う。

・交易所:3金がもらえる

・ギルド:監督を、前後に1~3マス移動させることが出来る。



監督とはラウンドマーカーの上に載っている薄い、白いディスクで、この監督がいる場所より「先の」タイルは稼働しない。つまり前半に強力な建物をガンガン建ててアクションを増やしても、ある程度ラウンドが進まないことには利用しづらいシステムとなっている。

ラウンドマーカーは基本的に1ラウンド1マス進み、ラウンド開始時に監督はマーカーの上に戻る。監督がマーカーより進んでいる状態で前のラウンドが終わっていたら、マーカーは2マス進む。

最先端のタイルに配置したプレイヤーがいたら、ギルドアクションで監督を後ろに戻してやると妨害になる。このシステムはソロプレイ感が強い最近のワカプレに採用されなかった。



・槍試合場:布(紫キューブ)1と、1金を支払うことで恩賞トラックを一つ進めることが出来る。

・馬屋:次のラウンドでプレイ順が変わる。馬屋に1番目にワーカーを置いたプレイヤーは、プレイ順が1番目。2番目に置いたプレイヤーは2番目。置かなかったプレイヤーは順次繰り下がる。

・宿屋:左のマスにワーカーを置くと、次のラウンドで右のマスに移動する。ここにワーカーが有るプレイヤーは、手駒が一つ少なくなるものの、ワーカー配置コストが常に1金となる。

というのも、このゲームではワーカーを配置しきらずにラウンドを終えることが可能なので、先にラウンドを終えたプレイヤーが出た場合、以後の配置コストが+1金になるのだ。1金→2金の変化でも結構痛いので、宿屋の意味が出てくる。ただ、個人的にはあんまり使わないアクション。



全員がワーカーの配置を終えたら、お城に近い方から順にアクションを処理。橋にもアクションがあり、ラウンドを終えた順にディスクを置いておくのだが、この順番に「監督」を動かす権利が発生する。(前述の「ギルド」とはまた別)ラウンドをなかなか終えずに粘ると、コストはかさむが最後の方に監督を動かす特権が。しかしこの「橋」で監督を動かすには、1マスにつき1金の賄賂が必要なのだ。

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これ以外に、「お城を建設する」アクションがある。ボード左上のスペースがそうで、配置するとラウンドの最後にこのアクションを処理する。

配置順が一番の人から、お城の建設を何回行うか選択する。コストは食料+任意の資源2種類で、コストを支払える限りは建設可能。1回分のコストを払ったら自分の家駒を建設進行度トラックに1個ずつ置いていく。

お城の建設は3段階に別れており、最初は地下室(6)次は城壁(10)最後に塔(14)となる。1個駒を置くたびに、それぞれ5/4/3勝利点。

また、そのラウンドで最も建設回数が多かったプレイヤーは恩賞トラックを一つ進めることが出来る。

(※建設が同数の場合は、先にワーカーをおいたプレイヤーが優先的に恩賞に与る)



恩賞は上から「勝利点」「お金」「資源」「タイルの建設」となる。「タイルの建設」以外は見たまんまで、描かれたアイコンの物がもらえる。

「タイルの建設」は、第一段階は空だが、第二段階からタイルの建設が行える。ただし無償ではなく、描かれた資源以外は払う必要がある。

またお城の建設段階が進まないことには、恩賞の段階を一定以上進めることは出来ない。建設が最終段階に入って初めて、恩賞トラックも最後まで使えるようになる。

※恩賞をもらう際、駒を進めた場所の特典でなく、下位の特典を貰っても良い。また、恩賞を最後まで進めても、何度でも同じトラックの特典を得ることが出来る。ツォルキンで技術を最終段階まで上げたような状態だ。例えば、資源の恩賞トラックを最後まで進めていれば、以後恩賞を受けるたびに金が手に入るといった具合。

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段階ごとにお城の建設スペースが全て埋まるか、ラウンドマーカーがボードに描かれた「地下室」「城壁」「塔」のマスそれぞれに到達すると決算が発生する。お城の建設にどれだけ関わったかによって、恩賞が幾つかもらえる。

ここで恩賞に関してもう一つルールがある。幾つか同時に恩賞を貰った場合、全て別のトラックに振り分けなくてはいけない。同一トラックに適用して何度も建物を建設する・・・といったことが出来ない。

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塔の決算が終わったらゲーム終了。最終的に残った資源やお金は得点になり、勝利点の一番多いプレイヤーが勝ち。ラウンド数が多いし、いきなりワーカー6人から始まるので3時間はかかるゲームだ。

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ワカプレ黎明期の作品であり、ちょっとルールがごちゃごちゃしているのでかなり長時間のゲームとなる。長考プレイヤーがいなくてもインスト込み3時間、じっくり考えるプレイヤーがいた場合は4時間以上を覚悟したほうが良い。

BGGでベスト人数は3人となっているので、できれば3人で遊びたいところ。いきなりワーカーが6人スタートなので、結構一ラウンドが長いのだ。

あと個人的には後発の作品の用に、ランダム要素が少しほしい。建物タイルは全て公開なため、ケイラスには運の要素が無いのだ。まあフリーク好みでは有るんだけど。

なんか文句ばっかり書いてますが、やり始めると3時間はあっという間に経ってしまいます。ワーカープレイスメント好きならプレイするべきゲームです。

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