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対戦相手皆無!ボードゲームレビュー

遊んだアナログゲーム・ドイツゲームについて主に書きます。

カテゴリー「近年のゲーム」の記事一覧

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産業の時代



いまさらですが、マーティン・ワレスが名作「ブラス」をリメイクして世に送り出したゲーム「産業の時代」を遊ぶ機会に恵まれました。



ワレス御大は、この手のリメイク(ブラッシュアップ?)が多いですね。元のゲームが重厚長大で、細かいルールまみれ→ちょっとだけルールを簡略化して洗練した作品に。というパターン。

で、この「産業の時代」ですが、なぜか日本語版が発売されており、入手が非常に容易です。売れ残ってるのか、5年前に発売された日本語版であるにも関わらず、普通に買えます。

元々3~4時間かかる重量級ゲームとして名高い「ブラス」を、多少ライトにした、との触れ込みなのですが、両者の違いを見てみると・・・



・プレイする時代が「鉄道時代」のみになり、中間決算処理がなくなった
 →これはプレイ時間短縮につながりそうですが、いくつかの理由により、あまりプレイ時間は短くなっていません。依然3時間級のゲームとなっています。詳細は後述



・「地域カード」が特定の街対象→特定のエリア全域対象 と強化された。
 →プレイ感覚をライトにするつもりの変更なのでしょうか、相対的に地域カードがとても強くなった印象です。手札に地域カードが来るかどうか、が、かなりプレイに影響します。



・個人ボードがついた
 →個人ボードは、ブラスでもぜひ欲しいところです。これはブラスに勝っている点ですね。



・建物タイルからの得点/借金のルール/国外販売ルールの単純化
 →ここは賛否両論あると思います。処理は単純化されてるのですが、ゲームの底が浅くなってしまったような・・・。



・鉄も、石炭と同じように線路で接続されてないと運べなくなった

 →「ブラス」では鉄の輸送に運河や線路は必要ありませんでしたが、産業の時代では必要です。もともとゲームバランス調整で、輸送路が必要ないルールだったと思われるので、産業の時代のほうが納得感が高く、シンプルなルールになっています。

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さて、様々な単純化が図られているにも関わらず、なぜゲーム時間が短くならないのか?

それは、「カード不要アクション」の存在が有るからです。

元の「ブラス」は、ウォーゲームのカードドリブン方式のように「何のアクションを行ってもカードを一枚捨て札にする」ゲームでした。

研究開発を行っても、パスをしても、線路を引いてもとにかく一枚捨てるのです。これによって、後に残しておきたいカードを捨てざるを得ない状況に頭を悩ませ・・・深いゲーム性を実現していたのですが

「産業の時代」では、線路を引いたり研究開発をしたり、というアクションではカードを使いません。にもかかわらず、ゲーム終了条件は「山札が尽き、更に誰かの手札が尽きたラウンドで終了」のため、ゲーム展開によってはプレイ時間がずるずると伸びるのです。

ある程度トッププレイヤーと二位の得点差がつき、トップがカードをどんどん引き出すとゲームが収束に向かうのですが、点差がついていないと長引きます。

この点はBGGのフォーラムでも議論されており、ヴァリアントとしてブラスのカード消費方式、つまり何のアクションでもカード一枚消費。手番は2アクションなので、手番開始時にカード二枚補充、

というルールを採用する方法が考案されています。ちょっと乱暴な気はしますが。

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総じて、「これやるんだったらブラスやればいいんじゃない?」という範疇にとどまってしまっており、非常に不遇な作品でした。「ブラス」の拡張マップを遊ぶ気持ちで購入するか、ワレスコレクターならどうぞ、という感じ。「ヴィア・ネビュラ」ぐらいの軽さに抑えてれば活躍の機会があったんだけどなぁ。

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DEPARTURE



脱出ゲーム製作団体 Movie Rockによる、封筒に収まったアナログ×デジタルのゲーム。コンポーネントはカードと二つ折りの紙だけと簡素なものだが、デジタルコンテンツはCGムービーを交えた豪華なものとなっている。



ただし、アプリではなくあくまでもブラウザ上で動くので、オンライン環境が無いと遊べない。逆にいうと、ブラウザが搭載されていればスマホでなくても動く。PCでもゲーム機でも。

ボードゲーム畑の方々ではなく、脱出ゲーム畑の製作チームなので、もしかしたらデジタルコンテンツメインなのかな?と思ったがそんなことはなく



デジタル側は、あくまでも状況説明やマップ間移動に使われるだけなので、謎解きはもっぱら
封筒の中身で行う。紙のカードならではの解き方もふんだんに含まれており、ちゃんと考えないと解けない。



問題は大まかに6つのセクションに分かれており、

一つクリアしたらブラウザに答えを入力→ムービーを見て移動

という流れになっている。

最初はごく簡単な問題なのだが、セクション5からかなり難易度が高くなり、ヒントを見ないと
クリアが困難になってくる。

実は最後の問題は解法がわからず・・・

※ネタバレしない範囲で書くと、目指す色の組み合わせがなぜあれになるのか?が良くわからない。
ヒントもそこは詳しく書かれておらず、次の段階の謎に移ってしまっている。
最後はこの答えになるから、この前の段階の色はこれだな・・・ というやり方でクリアはできるが・・・。
もしMovie Rockの方々、この記事みたら解法を教えてください。

ヒントが段階わけされており、全部見るとほとんど答えが載っているためクリアできないって
ことはないのだが、答えを見せられてクリアしているので若干モヤモヤが残った。

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アプリの脱出ゲームの中には、「とりあえずクリックできるところを探して、ひたすら怪しいところをカチカチする」というものも多いですが、そういった作品とは一線を画すコンテンツとなっています。

※ただ、クリック作業ゲームが悪いかというとそうでもなく、ゆったりとストーリーを楽しむポイント&クリックゲームならそういうのもアリ。

ちょっと難易度の上昇率が激しいので、気軽にパズルを楽しみたいというときには不向きかもしれません。
ただ、Movie Rockの他のゲームをプレイ済みで、解法に「アタリ」を付けられる場合は難易度が若干下がるかも。

最後になりますが値段が [1,000円] という安さなので、気軽に購入して遊べます。是非今後も色々作っていただきたいですね。

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ストロッツィ

このゲームは、メディチ・ストロッツィ・バルディシリーズの3作目です! とマニュアル記載がありますが、バルディってゲーム、あったっけ? そもそもバルディって誰?



---ストロッツィ---

ルールを覚えるのに必要な時間:10分
1ゲームの時間:60分
評価:☆☆☆☆


メディチ・シリーズ3作の最終作、ストロッツィ です。

他の二作、メディチ と メディチ対ストロッツィは、名作ながらも初見では値付けの相場がつかみづらい、ややとっつきづらいゲームでした。

ところがこのストロッツィでは、手元に3枚のタイルが与えられ、それを使ってカードを獲得するか、見送るかというシンプルな構造に。プレイ感覚としては「ラー」を更に単純化したようなゲームになっています。遊びやすい!



コンポーネントはこれだけ。すっきり。

メインボードには4つのチャートが書いてあり、真ん中のイタリア地図はただのフレーバーですww



手番になったら、カードを一枚めくるだけの簡単なお仕事。めくったカードに対して、3枚のタイルのいずれかを使うか、パスします。

ここで、ドクロのタイルを使えば即時、手番プレイヤーが獲得です。

速力+1 か 商品タイルを使ったら、時計回りに一巡競りを行います。といっても、ドクロタイルを使うかどうかという選択肢だけなので、簡単

だれかがドクロタイルを使えば、その人がカードを獲得して「獲得した人の左隣」の人が次のカードをめくります。

※手番プレイヤー以外の人が、競り落とせるのは「ドクロ」使用時だけです。

手番プレイヤーがタイル使用をパスしたら、左隣の人に選択権が移ります。全員がパスしたら、そのカードは捨て札になり、同じプレイヤーが次のカードをめくります。

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獲得したカードは、3つあるチャート いずれかを選んで、その隣に置きます。同じプレイヤーが、一つの港に複数の船を置くことはできません。

港はそれぞれ対応した商品があり、カードに描かれた商品の個数分、チャートが上がります。港に対応した商品以外が描かれていても無視します。

※この時、商品タイルを使って船を獲得していたら、チャートの上がり幅が+1されます。



また、カードには巻物 が描かれている場合があり、これはフィレンツェ(ボード左上)のチャートがあがります。フィレンツェだけは、カードをどこに置こうとも上がります。



もし、カードに青い四角がかかれていたら、発展タイルを獲得です。場に公開されている中から、欲しいものを一枚選びます。

チャートの同じ位置に駒が入ったら、左づめで配置します。あとから来た駒が右側になります。

船カード自体も、帆に描かれている数字順に並べます。これも同じ速力があったら、左詰めにします。

※このとき、+1タイルを使って船を獲得していれば 速力を+1とみなします。

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全員がタイルを使い切るか、カードの山が尽きたら一ラウンド終了です。得点計算に入ります。

・各港毎に、チャート1位の人が15点 2位10点、3位5点
 チャートの左側に位置する人が上位の為、同着はありません。

・各港毎に、速力が一位の船の人は15点 2位10点 3位5点
 これも、より左側に位置する人が上位です。

・フィレンツェの港に対しても、同じ点数を適用。

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これを3ラウンド繰り返すのですが、最後のラウンドだけ、今まで集めてきた「発展タイル」の得点が入ります。

科学・建築・芸術の各分野に対して、一位30点 2位20点 3位10点です。
なお、同着の場合はフィレンツェの港の順位が高い方が、点を獲得します。

もちろん点数(お金)が多い方が勝利!

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めくられたカードに対して、獲得したいかしたくないか? 手番以外のプレイヤーは、海賊を使って横取りするかしないか?

タイル自体には価値が描かれていなく、 海賊 > 他の2枚 という強さの為、競りともいえないような 思い切った単純化がなされています。

次にいいカードがでるかも・・・。でもあんまりパスしてると、船が3隻揃わないかもしれない・・・(山札が切れると、自分のタイルを使い切る前にラウンド終了なのです。)

この洗面器我慢比べを、延々続けるゲーム感になっています。要は坊主めくりなんですね。

「メディチ」の値付け感覚が苦手な方、「メディチ・カードゲーム」では単純化されすぎ!と思った方。

ストロッツィ はどうでしょうか?

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パパ・パオロ

ひっそりと発売されていた QUIND GAMESの2017年作品。各所でまったく話題になっていませんが、手堅いシステムを組み合わせた良ゲーですよ。



---パパ パオロ---

ルールを覚えるのに必要な時間:25分
1ゲームの時間:90-120分
評価:☆☆☆☆



事前情報が全然なかったのだが、雰囲気の良い箱絵とプレイ時間90分という要素だけで購入した一品。結果的には、目新しい要素は無いものの、手堅く安心して遊べる佳作でした。

(ゲームプレイ部分以外で問題があるのですが・・・w)



コンポーネントはこんな感じ。大量の木ゴマと、シールがついているので、まずシール貼り付け作業をしなくてはいけません。これが実に大変です。別に貼らなくても遊べるんですが、ただの四角い木より、ピザのシール貼ってあった方がいいですよね!がんばりましょう!

あ、このゲームはピザを届けるワーカープレイスメントですよ。いやあ届いて初めて内容を知りましたね。

メインボードに個人ボード。それから個々に獲得したタイルを並べるスペースが必要なので、広いテーブルを使いましょう。



セットアップ完了! 目がチカチカします!

前述した問題ってのがこのこと。かなり視認性が悪いのです。個々のタイルの色つきの屋根が重要なファクターなのですが、特に黄色がわかりづらい!

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ゲームは ワーカーによるアクション選択 → 競り → ピザの配送

という流れを5ラウンド繰り返します。



ワーカーは4人で、タイルを獲得して自分の街に配置するか、ワーカーを置いた縦軸横軸に描かれているアクションを行うか。

アクションもベーシックなもので、お金をもらう、ピザを配達する、ピザを焼く、支店を出店する、の4種類だけです。

全員が全てのワーカーを配置したら、競りに移ります。何を競るかというと、「ピザの需要」を競るのです。



このようなタイルが人数分並んでいて、ピザを配達できる距離と、何枚のピザを配達できるか、ということが描かれています。

競りはところてん式で、他に採用しているゲームで有名なのは「アメン・ラー」ですね。誰かが自分と同じタイルに、高い値を付けたら競り合う形式のやつです。

競りが終わったら、高値を付けた順にボーナスタイルを獲得して、ピザの配送。



自分の前に作った町には、色のついた屋根が書いてあります。これらがピザを欲している家で、タイルに描かれた距離と枚数の上限まで、ピザを配達できるのです。

配送人はUターンできないので、「フードチェーンマグネイト」の飲物仕入のように動く必要があります。別々の方向に行きたいのだったら、個人ボードの能力値を上げて、配送人を増やしましょう。



配達した結果、一つのタイルの色つき屋根に全て配れたら対応した色の能力レベルが上がります。(個人ボードのやつね) ピザを焼くときボーナスがついたり、単純にアクションでもらえるお金が増えたりします。

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以上の流れを繰り返し、5ラウンドを終えたらゲーム終了。配達したピザが一枚一点なのに加え、能力値を上げていくとボーナスがもらえます。

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丁寧に造りこんである良作です。バランスが悪い部分も見当たらず・・・

・ワーカープレイスメント部分については、ボード外周に置いてあるお金を取れる様に置く、という目標を掲げることでダウンタイムを短くし

※ちなみに、このお金は全員のアクション選択後、縦軸と横軸のマジョリティをみて、ワーカー数最多の人が取れます。タイの場合はお金に近い方が取得

・競りについては、弱いタイルを取得してしまった人が、次のラウンドの一番手を取れるという納得感の高いルールになっています。



悪いところと言えばやはり視認性。ボードゲームバーのような、照明が暗い場所で遊ぶとちょっと厳しいのではないでしょうか。特に黄色い屋根ね。

↑の写真なんか、手番順トラックなんですよ。わかりづらい!植込みの本数が順番を表しています。

今国内流通している分が品切れになると、一気にレアゲーになる気がしてならないので、気になる方は早めにゲットするといいですよー。

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フォックス・イン・ザ・フォレスト

なんか話題になっている気がする、二人専用トリックテイキング。
地味で重めなプレイ感だが、二人専用トリックテイクというニッチな需要に応えてくれる一品です。




---フォックス・イン・ザ・フォレスト---

ルールを覚えるのに必要な時間:10分
1ゲームの時間:20-30分
評価:☆☆☆☆



2人用トリックテイクなので、搦め手の変態トリテかと思いきや、普通のマストフォロー、切り札有のトリテです。



カードは3スート 1-11。 両名に13枚を配り、残りは山札です。

山札の一番上を表にし、これを別に置いときます。ここに示されたスートが切り札です。普通ですね。

このゲームの特徴は、奇数カードにある特殊効果。それぞれカードの強さに合わせた効果になっており、読みあいが熱くなります。



1 SWAN このカードで負けると、次のトリックのリードをとれる

3 FOX  手札と切り札表示カードを交換する

5 WOODCUTTER このカードを出したら、山札から一枚カードを引き、手札を一枚 山札の
          底に入れる

7 TREASURE このカードを獲得すると、即座に1点を得る

9 WITCH  場に出すと、切り札スートの9扱いになる(ただし、両者9を出したら無効)

11monarch     このカードでリードすると、相手は同スートの1か、同スートの一番高いランクのカードを出さなければならない。

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この特殊効果がもれなくついてくるので、結構考えます。あまりスピード感のあるゲームではないですね。



ラウンド終了後、獲得トリック数に応じて点が入ります。


何ラウンドか繰り返し、どちらかが21点に到達したら終了です。ショートゲームルールもあるので、お好きな方を。

二人専用トリテって、トランプ以外だとロウボートとか…とにかく選択肢が狭かったので、このジャンルの新作はとにかくありがたい!機会があったらどんどんプレイしようと思います。



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プロフィール

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seshil
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職業:
会社員
趣味:
楽器演奏・ゲーム・ツーリング

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