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対戦相手皆無!ボードゲームレビュー

遊んだアナログゲーム・ドイツゲームについて主に書きます。

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クラフトワーゲン

1888年のこと。ベンツという名のドイツ人の女性が、二人の息子を伴って夫の発明品で106kmの旅行に出かけました。その発明品とはもちろん自動車。ガソリンスタンドなどないので、各地の薬局で燃料を作りながらの旅です。

彼女は、世界初の自動車旅行者となったのです。初の女性ドライバーかもしれませんね。





---クラフトワーゲン---

ルールを覚えるのに必要な時間:20分
1ゲームの時間:90分
評価:☆☆☆ (☆5で満点)



「グレンモア」で華々しいデビューを飾ったマティアス・クラマーの2015年作品。ランカスター・ヘルベチアと未プレイの作品があるが、このクラフトワーゲンはテーマが好みなので速攻入手してプレイ。8,100円とユーロ高を反映してちょっとお高めではあるものの・・・。クラシックカーテーマの渋いゲーム好きだし・・・。



グレンモアと同じく、「アクショントラックの最後尾の人が常に手番を行う」システムを採用。ゲームシステムはより洗練され、グレンモアよりスッキリとまとまっている印象です。ゲームボードも色合いがスッキリしちゃって地味ですw 青と黒の二色刷りですかこれ。

やり始めると結構シンプルなゲームで、アクションは

・車体の獲得
・エンジンの獲得
・労働者の獲得
・レースを進める
・バイヤーを選ぶ
・研究開発をする



の5種類のみ。アクションはトラック上に配置したチップに描かれているのですが、複数書かれているチップがあります。この場合は選んでアクションを行うのではなく「全部」行えます。一番強いのは3つのアクションが書かれているチップなのですが、これを得るためにトラックを一気に進めるのか・・・牛歩戦術でいくのか・・・は貴方次第。



最初にプレイヤーは個人ボード・労働者4人・スタートタイルを受け取ります。



スタートタイルはプレイヤーごとに少しずつ違っていて、いきなりレースカーのエンジンがレベル2になるもの、労働者を多く持ってスタート出来る物などが有ります。

個人ボードは4つの倉庫に区切られていて、ひとつはレースカー専用のスペース。ここには最初からレベル1のエンジンを置いた状態で始まります。(先述のスタートタイルによって違います)



他の3つのスペースには、「車体」「エンジン」のどちらかを置くことができますが、両方一緒に置くことはできず、ひとつのスペースにはどちらか一つのみが置けます。


それぞれのアクションについてですが、どれもシンプル。

・車体の獲得
自分の車体開発レベルに合ったタイルを、ストックから獲得します。最初はレベル1からスタートですが、研究開発アクションによってレベルを上げられます。

・エンジンの獲得
自分のエンジン開発レベルに合ったタイルをストックから獲得します。エンジンは売り物の車に載せるために「倉庫」におくか、「レースカーに搭載する」か、どちらかを選べます。

・労働者の獲得
ストックから自分の色の労働者を1つ獲得します



・レース
自分のレースカーに搭載されたエンジンの数字分、レーストラックを進めます。この時、他の車がいるマスで移動を終えたら、そのマスは飛ばして一つ先に進めます。同じマスに2台以上の車がいることはありません。



・バイヤーを選ぶ

4種類のバイヤーから一人を選び、「活動中」のエリアに移動させます。バイヤーはそれぞれ【車体重視】【エンジン重視】【サービス重視】【価格重視】と、重要視する要素が違うのですが、詳細は後述。なお、同じ要素を重視するバイヤーは2名いるのですが、最初の一人を選んだプレイヤーはそのバイヤーの横に有るボーナスチップを獲得します。1点か2点。



ちなみにバイヤーは最大4人までしか登場させられず、以降このアクションを選ぶとこのトラックのコマを一マスずつ0に近づけていきます。0になったらラウンド終了です。



・研究開発をする

場に二枚オープンされている研究開発カードから一枚を選び、もう一枚を捨て札にします。このゲームで最も重要なアクションと言って良く、車体やエンジンの開発レベルはこの研究会開発アクションでしか上げられません。



カードにはそれ以外にも、労働者を得たりレーストラックを進められるといった即時効果アクションと



恒久的な効果を発揮する偉人カードがあります。例えば5人目のバイヤーを登場させられる「ベンツ」、レースエンジンを更新する度、レーストラックを進められる「ブガッティ」などが登場します。

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これらのメインアクションを行った後で、自分の車を1手番に1台、市場に出すことができます。



車には4つの要素があり

・車体
・エンジン
・価格
・サービスマン

が揃っていないと市場に出すことはできません。まず個人ボード上の倉庫から車体をエンジンを組み合わせて取り、雇用している労働者を最低一名載せて、市場に投入します。



ここで車の値段も決めます。ラウンドごとに価格が変わるこちらのチップから1枚を選び、車と共に配置します。

市場に置ける車は最大6台で、市場がいっぱいになってもラウンド終了です。

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ラウンドが終了したら、まずレーストラックの得点計算から。一位のプレイヤーには7点、2位のプレイヤーには5点・・・が与えられます。また、周回を重ねていたらその分得点が加算されます。



次にバイヤーの処理。選ばれた4人(ベンツの能力によって5人になることも)のバイヤーは、それぞれが重視するものに従って車を買います。

例えば車体重視のバイヤーは必ず車体レベルが一番高い車を買います。もし同じ車体レベルの車が複数あった場合、より安い車を選びます。

サービス重視だったら、サービスマンが一番配置された車を買うのです。

見事車を売ったプレイヤーは、その車の価格チップを勝利点としてもらいます。しかし価格重視のバイヤーに買われた時だけは、価格チップを2倍した勝利点がもらえるのです。どうしても安値のチップを買われるので、救済処置。

これを3ラウンド繰り返すとゲーム終了なのですが、今解説した得点手段以外に、「目標」タイルがあります。



例えば

・レベル3の車体を最初にとった人が+3点
・レーストラックを同一ラウンド内で2周回った人は+7点
・労働者を全て雇用(ストックが0)した人は7点

等があります。最近のビデオゲームで採用されている「実績(トロフィー)」みたいなものです。

大体1ラウンド30分なので、75-90分のプレイ時間でしょうか。

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渋いアートワークから、重厚長大なゲームを連想するのですが、プレイしてみると拍子抜けする害らシンプルなゲームにまとまってます。

その分、他の自動車開発ゲーム「オートモービル」「カンバン:自動車革命」から得られるプレイの満足感、までは得られないような・・・。いや、「カンバン」は未プレイなんですけど。

研究開発カードのめくり運が大きかったり、車にサービスマンを乗せる際、3ラウンド目は後がないのでどかっと8人ぐらい載せたり・・・。なんか全体的に「大味」な印象を受けます。

「グレンモア」なんか結構ややこしいルールなので、アートワークの割にはプレイ後の印象は「ファミリーゲーム」 そんな感想です。「オートモービル」や「カンバン」は3時間ぐらい覚悟しないといけないので、そんな時間がないときに活躍する車ゲーですね。

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