対戦相手皆無!ボードゲームレビュー
遊んだアナログゲーム・ドイツゲームについて主に書きます。
ディプロマシー
- 2016/01/21 (Thu)
- 近年のゲーム |
- CM(4) |
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1901年春、20世紀の幕開けとともに、欧州は「ベル・エポック」と呼ばれる繁栄の時代を謳歌していました。戦争もなく、飛行機が初めて空を飛び、映画が娯楽として広まり始めました。
しかし、人の歴史は戦争の歴史。戦いのない時代は長くは続かなかったのです。
---ディプロマシー---
ルールを覚えるのに必要な時間:60分
1ゲームの時間:300-600分
評価:☆☆☆☆ (☆5で満点)
いわゆる「アナログゲーム」の中でも、「ウォーゲーム」というジャンルに属する(?)作品。第一次世界大戦前夜の欧州を舞台に、最大7人のプレイヤーがしのぎを削るマルチゲームです。
ゲームが作られたのはなんと1950年代。メインボードは欧州が50ほどの地域に区切られ、一区間のスケールは数百~数千km。ユニットに射程は無く、移動は隣接地域のみ。純粋な戦略級ゲームの特徴をもれなく備えています。
60年前のゲームだけあって(ルールの改訂はありますが)、ルールはこれでもかというぐらい単純。
----------
・ユニットは陸軍と海軍の二種類のみ
・各ユニットの行動は 「移動」「待機」「支援」「輸送(海軍のみ)」の4つだけ
・移動した先に、他国のユニットがいたら必ず戦闘。つまり移動=戦闘
・戦闘の解決は、単純に戦力が多い方が勝ち。地形効果とかは無い。当該ユニットが支援されていたら、その分戦力が+1されていく。
ほんとにこれだけです。ユニットの生産コマンドという概念もないので、補給地を占領したら勝手に軍が増えていきます。
---------
じゃあ何が面白いの?というところなんですが・・・。
ディプロマシーは最大7人のプレイヤーが一斉に命令書(ただのメモ帳)に各ユニットの行動を記入。一斉に公開して駒を動かします。
この命令の前に、15分ほど「外交」の時間が設けられているんですね。
各自自由に他のプレイヤーと会話を行い、曰く「協力してあの拠点を取っちゃいましょうよ」「私が支援するので、こちらの国境は侵さないでください」「こっちの海軍で輸送してあげるんで、あっちの海峡は通してください」
ただ、各自秘密裏に命令書を書き込むので、別に事前の打ち合わせ通りに行動する必要はないwうーん。なんという友情破壊ゲーム。
このため、輸送や支援は「他の国のユニットに対しても」出来るようになっている。このため、結構ややこしい場面が発生したりして、ルールブックの最後に22の「このときはこうする」凡例が載っていたりする。
---------
ゲームは
春の外交→春の行動→秋の外交→秋の行動→支配地域の更新、ユニットの増減
で進み、春と秋合わせて1年。 秋まで終わって初めて戦力が変化するので、春は秋のための準備という意味合いが強いです。
マップ上には、30か所ほどの「補給地点」が設定されているので、ここを占領していくと軍隊がどんどん自国に生産されていきます。
一国が過半数の補給地点を抑えるとゲーム終了なのですが、そこまでやると一日つぶす覚悟が必要なので、規定年数の経過、もしくは上位三国が補給地点の過半数を押さえたら勝利、などという終了条件にするのが一般的です。
----------
先日初めてプレイしたとき、私は英国担当。初期セットアップで、各国3つの軍隊を持った状態から始まります。(ロシアだけ4つ)陸軍と海軍の配分は国によって違います。
イギリスは島国なので、とにかく海軍がいないと移動すらままなりません。なのでフランスやドイツ、ロシアと領土分割の話し合いをしながら、とりあえず補給地点を2つ増やして、追加生産の2つのユニットはどちらも海軍に振り分け。
取り合えず抑えに行ったのはノルウェーとベルギーの補給地点。それから補給地ではないですが、戦略的に重要な北海と英仏海峡には、常に海軍を駐留させておくようフランスを言いくるめておきました。
「スペインとポルトガルを取る邪魔をしないから、俺には制海権をくれよ」
実は海を押さえておくと、あとでフランスのブレスト地方を力ずくで奪える可能性があるのです。
その後、フランス・ドイツ・イギリスの3国同盟関係は崩れ、フランスがイタリアに目を向けた隙にスペインはドイツの物に、そしてポルトガルはイギリスが抑える結果に。
また、ノルウェーとサンクトペテルブルグは一歩で行き来できることを利用し、英露不可侵条約を一方的にやぶったイギリスの陸軍はサンクトペテルブルグを占領。 ロシア国民の恨みを末代まで買うこととなった。
戦闘はどちらかというと南が苛烈で、オーストリアハンガリー帝国はロシア・トルコ・イタリアに蹂躙され、わずか一部隊を残すのみ。このゲームは戦闘に負けても軍は基本的に撤退するだけなので、このままゲーム終了まで生殺しの状態であった。かわいそうに。
1904年が終わった時点で、イギリス・ドイツ・ロシアの3強が決定し、ゲーム終了。プレイ時間4時間半と、やや短めのディプロマシーを堪能しました。
--------------
古いゲームなので、長大なプレイ時間にもかかわらず脱落者が発生する、負けが込んできたプレイヤーの救済処置が無い等、現代のゲームと違う部分が多々ありますが・・・
こんなシンプルな移動と戦闘のシステムで楽しめるなんて、正直驚きです。一生に一度、ぜひ7人でのプレイを楽しんでください。敷居は高いですが、メガシヴィライゼーションよりは現実味があるでしょ?
しかし、人の歴史は戦争の歴史。戦いのない時代は長くは続かなかったのです。
---ディプロマシー---
ルールを覚えるのに必要な時間:60分
1ゲームの時間:300-600分
評価:☆☆☆☆ (☆5で満点)
いわゆる「アナログゲーム」の中でも、「ウォーゲーム」というジャンルに属する(?)作品。第一次世界大戦前夜の欧州を舞台に、最大7人のプレイヤーがしのぎを削るマルチゲームです。
ゲームが作られたのはなんと1950年代。メインボードは欧州が50ほどの地域に区切られ、一区間のスケールは数百~数千km。ユニットに射程は無く、移動は隣接地域のみ。純粋な戦略級ゲームの特徴をもれなく備えています。
60年前のゲームだけあって(ルールの改訂はありますが)、ルールはこれでもかというぐらい単純。
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・ユニットは陸軍と海軍の二種類のみ
・各ユニットの行動は 「移動」「待機」「支援」「輸送(海軍のみ)」の4つだけ
・移動した先に、他国のユニットがいたら必ず戦闘。つまり移動=戦闘
・戦闘の解決は、単純に戦力が多い方が勝ち。地形効果とかは無い。当該ユニットが支援されていたら、その分戦力が+1されていく。
ほんとにこれだけです。ユニットの生産コマンドという概念もないので、補給地を占領したら勝手に軍が増えていきます。
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じゃあ何が面白いの?というところなんですが・・・。
ディプロマシーは最大7人のプレイヤーが一斉に命令書(ただのメモ帳)に各ユニットの行動を記入。一斉に公開して駒を動かします。
この命令の前に、15分ほど「外交」の時間が設けられているんですね。
各自自由に他のプレイヤーと会話を行い、曰く「協力してあの拠点を取っちゃいましょうよ」「私が支援するので、こちらの国境は侵さないでください」「こっちの海軍で輸送してあげるんで、あっちの海峡は通してください」
ただ、各自秘密裏に命令書を書き込むので、別に事前の打ち合わせ通りに行動する必要はないwうーん。なんという友情破壊ゲーム。
このため、輸送や支援は「他の国のユニットに対しても」出来るようになっている。このため、結構ややこしい場面が発生したりして、ルールブックの最後に22の「このときはこうする」凡例が載っていたりする。
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ゲームは
春の外交→春の行動→秋の外交→秋の行動→支配地域の更新、ユニットの増減
で進み、春と秋合わせて1年。 秋まで終わって初めて戦力が変化するので、春は秋のための準備という意味合いが強いです。
マップ上には、30か所ほどの「補給地点」が設定されているので、ここを占領していくと軍隊がどんどん自国に生産されていきます。
一国が過半数の補給地点を抑えるとゲーム終了なのですが、そこまでやると一日つぶす覚悟が必要なので、規定年数の経過、もしくは上位三国が補給地点の過半数を押さえたら勝利、などという終了条件にするのが一般的です。
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先日初めてプレイしたとき、私は英国担当。初期セットアップで、各国3つの軍隊を持った状態から始まります。(ロシアだけ4つ)陸軍と海軍の配分は国によって違います。
イギリスは島国なので、とにかく海軍がいないと移動すらままなりません。なのでフランスやドイツ、ロシアと領土分割の話し合いをしながら、とりあえず補給地点を2つ増やして、追加生産の2つのユニットはどちらも海軍に振り分け。
取り合えず抑えに行ったのはノルウェーとベルギーの補給地点。それから補給地ではないですが、戦略的に重要な北海と英仏海峡には、常に海軍を駐留させておくようフランスを言いくるめておきました。
「スペインとポルトガルを取る邪魔をしないから、俺には制海権をくれよ」
実は海を押さえておくと、あとでフランスのブレスト地方を力ずくで奪える可能性があるのです。
その後、フランス・ドイツ・イギリスの3国同盟関係は崩れ、フランスがイタリアに目を向けた隙にスペインはドイツの物に、そしてポルトガルはイギリスが抑える結果に。
また、ノルウェーとサンクトペテルブルグは一歩で行き来できることを利用し、英露不可侵条約を一方的にやぶったイギリスの陸軍はサンクトペテルブルグを占領。 ロシア国民の恨みを末代まで買うこととなった。
戦闘はどちらかというと南が苛烈で、オーストリアハンガリー帝国はロシア・トルコ・イタリアに蹂躙され、わずか一部隊を残すのみ。このゲームは戦闘に負けても軍は基本的に撤退するだけなので、このままゲーム終了まで生殺しの状態であった。かわいそうに。
1904年が終わった時点で、イギリス・ドイツ・ロシアの3強が決定し、ゲーム終了。プレイ時間4時間半と、やや短めのディプロマシーを堪能しました。
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古いゲームなので、長大なプレイ時間にもかかわらず脱落者が発生する、負けが込んできたプレイヤーの救済処置が無い等、現代のゲームと違う部分が多々ありますが・・・
こんなシンプルな移動と戦闘のシステムで楽しめるなんて、正直驚きです。一生に一度、ぜひ7人でのプレイを楽しんでください。敷居は高いですが、メガシヴィライゼーションよりは現実味があるでしょ?
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この記事へのコメント
ディプロマシーについて
いきなりで失礼します。ディプロマシーを体験したいのですが、どこで体験できますでしょうか。
返答お待ちしております。
Re:ディプロマシーについて
http://twipla.jp/events/222366
6-7人ベストという、非常に敷居の高いゲームなのですが、機会があればぜひご体験ください。
無題
敷居が高いということは、あまり行かない方がよさげですかね?
Re:無題
ただ、ディプロマシーをやってくれる人を7人そろえるのは大変なので、事前にTwiplaでディプロマシー卓を建てたいことを表明してみてください。何らかの反応があると思います。
建たなければ潔く諦めて、他のゲームを遊ばれてはどうでしょうか?戦略級ウォーゲームのカテゴリでは、最近はトワイライト・ストラグル(2人専用ゲーム)がよく遊ばれているようです。
>ご返信ありがとうございます。
>
>敷居が高いということは、あまり行かない方がよさげですかね?
無題
ちなみに、seshilさんはディプロマシーやりますか
?
無題
ちなみに、seshilさんはディプロマシーやりますか
?
Re:無題
>そうなんですね。
>
>ちなみに、seshilさんはディプロマシーやりますか
>?