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対戦相手皆無!ボードゲームレビュー

遊んだアナログゲーム・ドイツゲームについて主に書きます。

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ル・アーブル

フランス第二の・ルアーブル港には、今日もいろんな品物が届きます。木材・魚・小麦・更には石炭や牛まで・・・

たくさんの資源をさばいて、海運会社を発展させましょう。




---ル・アーブル---

ルールを覚えるのに必要な時間:30分
1ゲームの時間:120分~200分
評価:☆☆☆☆☆ (☆5で満点)

最近拡張入りで再版されて、再びよく見るようになったルアーブル。いわゆる「収穫三部作」のうちの一つです。



収穫三部作とは? ウヴェ・ローゼンベルグが放ったスマッシュヒット作「アグリコラ」を筆頭に、「ルアーブル」「洛陽の門にて」と続く重ゲー3連荘だ。しかしその後、「祈り働け」「カヴェルナ」と立て続けにワーカープレイスメント作品を出したため、なんか三部作でもなんでもなくなってしまった。洛陽の門にてに至っては、ワカプレじゃないしね。



箱を開けるととんでもない数のチット打ち抜き作業が待っています。



これをボードにセッティングし、やたら複雑な建物カード配置作業をクリアし(人数によってセットアップ方法が違う)



各自、自分の駒と5金、そして初期資源として石炭1個を受け取ったらゲーム開始!

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自分の手番には

・場に出ている資源を1種類全部獲得

・建物効果を使う

どちらかが行えます。意外とシンプル。そして追加アクションとして

※建物をお金で買う

ことができます。これはメインアクションと別に行えます。



ボードにはこんな丸いチップが置かれています。各手番ごとにこの上を船が進み、7マスあるので全員合計で7手番行ったらラウンドが終了。

チップに船が到達するたび、描かれている資源を一つずつ補充します。実はこれが相当めんどくさく、プレイ時間を長くさせる原因です。アナログゲームとしてはこれが限界だろうというめんどくささ。iOSのデジタル版は自動処理なので楽です。

資源をとるのは単純に全部取っていけばいいのですが・・・



カード(建物)効果を使う場合は、自分の色のディスクをその上に置きます。つまりこれがワーカーです。一人だけ。

ワーカープレイスメントなので、二人が同じ建物を使うのはだめです。また、一人で連続して同じ建物を使うのもだめ。



最初はだれもカードを手元に持っていないので、この「共通の建物」を使うことになります。これらは最初から「街に建っている」建物で、右上に書いてあるコストを支払うことで使えます。

食料を1個とか



お金を払うとか。お金は食料の代わりに払うこともできますが、逆はだめ



例えばこの「工務店」を使うと、自分の手元に建物を建設できます。



建てられるのはこちら。上から順番に建てていかなくてはいけません。そして、コストは左上に書かれています。

資源を支払ったら手元に持ってきます。建物にはコインマークの中に数字が書かれているのですが、これが勝利点です。

※ちなみに追加アクションとしてお金で建物を買うことができます。買えるのは「共通のエリア」「建設計画の一番上の建物」「船」で、価格は基本的にこの勝利点と等価。

ただし!たまに購入価格と勝利点が違う建物があるので注意です。船はだいたいそう。

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建物を建てると、以後、その建物を使うことができます。ここで重要なのが、他の人の手元にある建物も使えること。ただし、自分の建物は無料で使えますが、人の建物を使うときには右肩に書いてある資源をその人に払って使います。これが結構痛い。ボディブローのように聞いてきます。終始カツカツのゲームなので。



ゲームが進むと、飛躍的に選択の幅が広がり、何していいか戸惑うゲーム性です。


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こうして7手番が終わったら、労働者に食料を払います。全部で20ラウンド近くを戦うのですが、ラウンド終了時の食料供給数はだんだん増えていきます・・・

各資源が食料いくつ分に相当するかは、チットに書かれています。魚は1、パンは2、肉は3。

魚はそのまま食べられますが、小麦や牛は加工(チットを裏返す)しなくては食べられません。これには建物効果を使います。屠殺場とか、パン焼き窯とかね。また、魚も燻製にすることで、2食料分の価値を持ちます。

お金はいつでも食料の代わりにできます。

ラウンド終了時には、「収穫」と「建物の建設」処理も行います。収穫は簡単で、ラウンドカードに収穫アイコンが書かれていたら、「牛は2頭以上」「小麦は一個以上」持っていたらそれぞれ一つ獲得できます。この辺はアグリコラと似てますね。



さらに、ラウンドカードに建物アイコンが書かれていると、「特別な建物」か「通常の建物で番号が一番若いもの」が共通の場に建設されます。

建設されてしまうと、自分のものにするにはお金で買うしかなくなるので、狙っていた建物が強制的に建設されてしまうと悲劇です。



また、特別な建物はこのゲーム唯一のランダム要素。種類は何十種類もあるのですが、一つのゲームでは数枚を使用します。たいてい強力な建物効果が書かれています。

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さて、「船」の説明ですが、これは「造船所」を使うことで建設できます。まずは造船所を誰かが立てる必要があるんですね。

船は建てると、毎ラウンドの食料支払いを軽減してくれます。他にも利用方法が有りますが、後述。



ちなみに船を立てるには「燃料」が必要です。最初にもらった石炭とか、木材がそう。

※序盤に出てくる木造の船は、木材と燃料があれば建てられます。が、鉄の船や鋼鉄の船は造船所を「近代化」しないと建てられません。最初に鉄の船を建てようとする人は、造船所の上にレンガを一つ支払います。バランス調整のルールかな?

※最後に出てくる「豪華客船」は、資産価値が上がるだけで、食料の軽減効果はありません。

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もしラウンド終了時に支払う食料が足りない場合は、「借金」をすることで4金を得られます。これで食料の代わりに支払うのです。

ただし借金を返すには5金が必要で、しかも返さないでいるとゲーム終了時にマイナス七点。



加えて、船がこの「利息」タイルに到達するたびに1金の利息を支払います。ただし借金カードを何枚持っていても利息は1なので、借金を前提に手番を回していく戦術も存在します。

※ちなみに私が持っている日本語版の初版は、文字が盛大にずれていますね。第二版では直っているようです。

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こうして全てのラウンドが終了すると、全員がメインアクションをもう一回やって終了です。

【この最後のアクションだけ】は、同じアクションを何人が行ってもOKです。なので、たいていは手元に残った商品を金に換えるため、奔走することになります。



良く使われるのは【海運会社】と【セーヌの橋】。効率がいいのは海運会社なのですが、船と燃料が別途必要になるので(当然と言えば当然)、ない場合は必然的にセーヌに投げ込むことに。

最終的に手持ちのお金、建物と船の資産価値、借金によるマイナスを合計して、得点です!

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ごちゃごちゃした見た目の通り、処理が非常に煩雑なゲームであることは間違いありません。

ただ、手番の選択は「とるか」「使うか」なので、存外にインストは早く終わります。これをやるのは例外なくゲーマーだと思うので、「後はカード効果を見てくれ」で終わります。

建物カードのほとんどは固定で、出てくる順番が違うだけなのですが、毎回変化する「特別な建物」の効果がダイナミックなものが多く、違ったゲーム展開をもたらします。



要するに「限られた手番で最大効率を目指す」ゲームなので、カツカツなプレイが楽しめる方に非常にお勧めです。

アクションを取りえる幅が、全員分の建物に及ぶので後半は最適解を見つけるのが大変になります。そこが楽しいんですけどね。

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